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コラム

インフォーマルラーニングとは?

新たな学びを構築する日本フューチャーラーナーズ協会です。

突然ですが、私たちはいつどのように学んでいるのでしょうか?企業内研修で学ぶ、資格取得のために講座で学ぶなど、まとまった“学び”の機会を持つこともあるかもしれませんが、実はもっと日常的に、さりげなく私たちの生活の中に“学び”は入り込んでいるのです。

今回は、この日常的な学び「インフォーマルラーニング」についてお話ししたいと思います。

 

インフォーマルラーニングとは

企業における学びは、計画的に提供される研修や講習などの「フォーマルラーニング」と、同僚や先輩との対話や実務を通じて体得する「インフォーマルラーニング」という2つ学びに分類されます。そして、インフォーマルラーニングの重要性については、アメリカの調査機関ロミンガー社の調査による「70:20:10の法則」でも指摘されており、成果に結びつく学びの90%の「インフォーマルラーニング」(他者との関わり、仕事での経験)によるものと言われています。(下図参照)

 

インフォーマルラーニングは提供される学習ではないので、学び手の主体性が重要になってきます。自分自身のキャリアや仕事のゴールが明確で達成したい時、自分自身が好きなことや興味をもっていることには、誰も頼まれることなく自然に学ぼうとするのではないでしょうか?そのため、偶発的な気づきや思いがけぬ発見などもインフォーマルラーニングに含まれます。まさに日常の学びそのものと言えます。

 

こんなに違う!「フォーマルラーニング」と「インフォーマルラーニング」


 「フォーマルラーニング」と「インフォーマルラーニング」の違いについてさらに詳しく見て見ましょう。

 フォーマルラーニングは、高度に体系化されたカリキュラム(コンテンツ)を、研修や講習というイベントの中で受講をする形を取ります。体系的なナレッジを短期間で学ぶのに優れている一方でしっかりと企画をして構築することが大切で更新性が課題になります。

一方で、インフォーマルラーニングは、学習者が生活や仕事の中で日常的に触れる情報や対話から生み出されるものが中心であるため、タイムラインのように流れていく学びの形になります。偶発的に生み出されるものであり、体系化されたコンテンツとは相対して情報そのものが分散していて、整理されていないことがほとんどです。ただ、情報鮮度の高さにはメリットがあります。

 

企業内でインフォーマルラーニングを有効活用するためには戦略が必要

日常的な学びを上手く活用して、企業活動の中で成果に結びつけていくためには戦略的にデザインしていくことが大切です。フォーマルラーニングのように、計画的に作り出されたものではないため、いかに多くの情報を編集・共有していくかがポイントになります。

実際に企業がインフォーマルラーニングを有効活用する上でポイントをまとめました。

①現場における経験・考察とベストプラクティスの抽出

従業員の現場での経験を共有し、個々の成功や失敗から学ぶことができるようにします。

②仲間との共有・ディスカッション

それぞれが持つ専門知識やポケットノウハウを共有し、オンラインで随時ディスカッションをして交流できる「学び合い」の場を提供します

③ジャストインタイム学習

学習者の課題や興味にそった学びを得られやすい環境を用意し、必要な時に適切な資料や情報にアクセスすることができるようにします。

④専門的な知見・様々なレイヤーの情報

外部の専門家や社内のエキスパートと協力して、より高度な情報や様々なレイヤーの情報、最新の情報に触れられる機会を作り出します。

インフォーマルラーニングにおいては、これらの学びを線ではなくネットワークでつなぐことが大切です。企業内に多く点在する知識や智慧を学ぶことができるようにコンテンツ化して、誰もがアクセスできる状態を作ることで、従業員の自発的な学びを促進するきっかけにしていくことができます。

企業内学習の未来は「フォーマル」と「インフォーマル」の組み合わせ

私たちは、変化が激しい時代を生きる中で、リスキリングがますます重要なテーマになってきています。リスキリングとは、従事しているビジネスに関連した知識やスキルを深めたり高めたりすることだけでなく、新たな業務を行うスキル、他分野の知識を身につける(リスキル)が重要であるというものです。

変化に対応して生きるためにこれまでないスキルを身につける。これを効率的かつ効果的に実現するためには、「フォーマル」と「インフォーマル」両方の学びを組み合わせていくことが大切です。

新しいことを習得する時に、体系的なフォーマルラーニングが効果を発揮します。しかしながら最低限学んだあとは、現場での実践を通じての壁にあたる中での同僚との対話、経験からの振り返り、他者のポケットノウハウなどが成果を上げるまでのリードタイムを短くする上ではポイントになります。

未来の企業内学習は、まさのこの2種類の学びをどのように効果的に組み合わせてデザインしていくか、また人材開発担当者はそういった学習生態系をプロデュースしていくことが役割へと変わっていきます。

 

『ブレンディッドラーニング・デザイナー養成コース』で学び、現場で活かそう

本講座の中では、人材開発に関わる人の役割として、関わる対象をフォーマル(トレーニング)だけでなく、インフォーマル(日常の学び全て)に広げることの重要性とそのための考え方として、「キュレーション」「現場の智慧を会社の学習資産に変えるためのデザイン」についてご紹介しています。

※キュレーション(収集、選別、編集):様々な情報を特定の視点から収集、編集することで新しい価値を創造する活動

日本フューチャーラーナーズ協会が開講している「ブレンディッドラーニング・デザイナー養成コース」は、学びのコンテンツ、デバイス、ツールなどの組み合わせによって効果的な社内研修や会議などを設計するための実践的な手法を学びます。完全オンライン対応の学習機会となっているので、これから常態化することが予想されるオンライン研修にも適用できます。講座では以下のスキルを身につけることができます。

1.新しいテクノロジーを活用し、主体的で協働的な学びを体験しながら、自分でも設計できるようになる

2.集合と個別、2つの学習機会を使い分け、学びの生産性を高めることができるようになる

3.効果的な学習機会を創出するために、既に確立されている理論と新しい理論の両面をおさえ、効果的な学習の場を企画・運営できるようになる

4.デジタル学習コンテンツ制作の基本を、自分自身でコンテンツ制作する実習を通して、時間もコストもかけずに制作できるようになる

5.新しい技術に関する情報を取捨選択する知識ベースをつくり、継続して学び合う仲間を得ることができるので、新しい学びの最新知識や生の事例収集が容易になる

学びは進化し続けています。旧来の学びは“教える”“コントロールする“ことをベースにした「教える人が主役」の学びでしたが、今は”主体的な学びを促進する“ことをベースにした「学ぶ人が主役」の学びに変わってきています。

「ブレンディッドラーニング・デザイナー養成コース」は、これからの学びを牽引する企業の経営者の方や人事・人材育成担当者の方には是非受講していただきたい講座となっております。ご興味のある方は、是非お気軽にお問い合わせください。

 

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