eラーニング研修を導入する前に知っておきたいブレンディッドラーニング
新たな学びを構築する日本フューチャーラーナーズ協会です。
今年は企業活動が大きく揺れた一年でもありました。これまで当たり前に集合で行なっていた数々の活動がオンライン化すると共に、働き方や学び方が抜本的に見直される動きにもなりました。
企業研修は最たる例です。とりわけ新人研修においては、開催時期と自粛期間が重なったこともあって大慌てで内容を再構築した企業は多いでしょう。eラーニングを多用し、応急処置的にリモートによる研修を“なんとか”開催することができたというのが半年前だとしたら、企業の課題は既に次のフェーズに入っているはずです。それは「オンラインの特性を生かした良質な学びを提供したい」「成果に結びつく学びをオンラインで実現したい」というものではないでしょうか。
そこで今回は、eラーニングを企業研修に導入する際に知っておきたい「ブレンディッドラーニング」を紹介し、来年度の新人研修に役立つ情報をお伝えしようと思います。
eラーニングの移り変わり
今や学習形態の定番と言っていいほど浸透している「eラーニング」ですが、その定義や理解には個人差があります。広義には情報技術を用いた学びのことを差しますが、その中でも特にインターネットを利用した学びのことを指すのが一般的です。
eラーニングの登場は1990年頃になりますが、当初は完成された学習コンテンツをビデオやCD-ROMなどで観る動画学習=eラーニングでした。観賞後(学習後)にリアルに意見交換をする、あるいは自己学習をするなど、その後に続くアクションの伏線としての活用という側面もありますが、eラーニングそのものに双方向性はなかったようです。しかし、インターネット登場と普及に伴い、eラーニングの中にも双方向性が取り入れられるようになり、学びの質が飛躍的に上がりました。eラーニングの進化は止まらず、今では集合時と変わらないほどの双方向性が可能になっているようです。
そうなると、重要になってくるのは学びの設計です。オンラインで可能なことが増えたとしても、やみくもに新しい要素を取り入れては効果を発揮しません。学びの設計は目的に応じて適切に行わなければならないのです。
ブレンディッドラーニングの要素としてのeラーニング
私たちが提唱しているブレンディッドラーニングとは、複数の学習形態や学習コンテンツを組み合わせて成果につながる学習コースを設計することです。
複数の学習形態というのは集合、eラーニング(オンライン)、自己学習など“学習する環境”のことで、複数のコンテンツとは資料、写真、イラスト、WEB記事、SNS、動画など“学習の素材”のことです。実際にはこれらの他に手法のバリエーションや参加者(学び手)のバリエーションも加わって、ブレンドされる諸要素の組み合わせパターンは何万通りにもなります。目的に応じてふさわしい学びを構築するということなので、必ずしもeラーニングがそこに組み込まれるわけではありません。集合だけで終始完結させることも可能なのです。
しかし、このコロナ禍です。集合に大きな制約ができてしまった今となっては、ブレンドする要素を精査しなくてはなりません。これからの学びではテクノロジーをフル活用し、集合しなくても集合時と同じくらいあるいはそれ以上の効果がある学びが必要とされます。
ブレンディッドラーニングを学ぶと何が変わる?
「ブレンディッドラーニング・デザイナー養成コース」を受講することによって以下のような効果を期待できます。
1.新しい技術を使い、主体的で協働的な学びを体験しながら、自分でも設計できるようになる
2.集合と個別学習を使い分け、学びの生産性を高めることができるようになる
3.人が効果的に学ぶための確立した理論と新しい理論の両面をおさえ、効果的な学習の場を企画・運営できるようになる
4.動画制作の基本を学び、自分自身でコンテンツを制作する実習を通して、コストをかけずに自社(自分)でブレンディッドラーニングコンテンツを制作できるようになる
5.新しい技術に関する情報を取捨選択する知識ベースをつくり、継続して学び合う仲間を得ることができるので、新しい学びの最新知識や生の事例収集が容易になる
「ブレンディッドラーニング・デザイナー養成コース」は理論と実践がバランスよく配された講座なので、すぐにでも現場で活用できます。特に技術的な側面を手厚く指導するので、この講座を受講すれば自由自在にデジタルツールを使いこなせるようになること請け合いですよ!
こんな企業におすすめ!今こそブレンディッドラーニングを!
コロナ禍により、今年から企業研修をリモートによるeラーニング(オンライン)に切り替えた企業は多いでしょう。必要に駆られて移行して何とか形にはなったけれど、その効果のほどは疑わしい…そう思っている研修担当者様はけっこういらっしゃるのではないでしょうか。「やっぱり集合じゃないと効果がないな」と感じ、来年度以降は再び集合研修に戻ることを考えているという声もちらほら聞きます。程度の差こそありますが、eラーニングを多用したリモート研修に対する違和感や消化不良を持っている企業は少なからずあるのではないでしょう。
しかし効果という意味においては、集合とeラーニング(オンライン)を甲乙つけることはできないと思います。要は設計次第。効果を感じないというのはその設計が上手くいってないだけで、eラーニングという形態に問題があるわけではないと言えるのではないでしょうか。
そして、そのような“もやもや“を抱えている企業こそ、ブレンディッドラーニングを知る必要があると思っています。eラーニングを効果的に取り入れ、集合だけでは実現できなかった高度な学びを来年度から提供してみてはいかがでしょうか。