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コラム

オンライン研修の導入、その後の広がり~パーソルラーニング株式会社

新たな学びを構築する日本フューチャーラーナーズ協会です。

 コロナウィルスとの共存が続きリモートワークが常態化している昨今ですが、日常業務のみならず新人研修や階層別研修などの社内研修もオンライン化され「オンライン研修」のニーズはますます拡大しているようです。今回はこのオンライン研修を“提供する側”でもあるパーソルラーニング株式会社の森田氏にお話を伺い、春以降の働き方の変化やオンライン研修の課題などについて率直に語ってもらいました。

春以降、業務のオンライン化はどのように進みましたか?

 私たちは研修を企業に“提供する側”でもありますが、同時に私たちも一企業であり、社内業務や社内研修を「オンライン化しなくては!」という課題をお客様同様に持ち合わせていました。

私たちは良くも悪くも昔ながらの集合研修を得意としていたので、オンラインへの移行がスムーズに行われたとは言えませんでした。春の段階ではオンライン研修に懐疑的な人たちも一定数いたことは事実ですね。ただ、コロナ禍だという必然だけではなく、同時代的な先端の学びに対して貪欲な社内の複数の人たちの努力もあって、オンライン化に対する抵抗は今ではもうほとんどなくなりました。

 

オンライン研修を始めとするサービス全般にどのような変化がありましたか?

 サービスとしての「オンライン研修」ですが、こちらも格段に質が上がったと思っています。オンライン研修に関しては当初手探りで提供していた部分もあり、もしかしたらお客様の方がオンライン研修に関する知識を多く持っていたかもしれません。しかしこれはテクニックの話で、コンテンツに関しては変わらずに自信を持っていたので、私たちの課題としては“いかにして提供するか“に尽きました。これに関しては勉強するしかなく、私をはじめ社内の何人かが「ブレンディッドラーニングファシリテーター(BLF)養成講座」を受講し、オンライン研修を提供するということを体系的に学びました。受講した社内のメンバーは所属部署も業務内容もバラバラなので、今ではそれぞれが自分の持ち場で学びを還元している状況です。手前味噌ですが、社内のオンライン化を牽引しているのは私も含めてBLF講座の受講生になっていますよ。
※2021年5月より「ブレンディッドラーニングファシリテーター(BLF)養成講座」は、「ブレンディッドラーニング・デザイナー養成コース」に名称変更しております。

 

オンライン研修を“提供する側”として、自分たちはどのようにスキルを磨きましたか?

 先ほども申し上げたようにBLF講座の受講という学びもありますが、それとは別にそれぞれの現場体験をシェアし、フィードバックし合っていることが一番の学びになっていると思います。オンライン研修を提供するにあたって、明確なガイダンスというものは社内には存在していません。それぞれが自分なりに工夫して提供しているので試行錯誤の連続です。そんな中でスキルを磨いていくには、実務の中に学びを組み込むしかないのです。

これまでも社内で経験をシェアし合うことはありましたが、オンライン化によってより一層盛んに起こっている気がしますね。オンラインの良い所は、何と言っても共有のし易さとフィードバックの得やすさではないでしょうか。リアルに集合して報告するようなスタイルでは広がりに限界があります。しかしオンラインでは時間や空間の制約を受けずに経験をシェアし合うことができるので、今まで以上に学び合いが業務の中に浸透している印象です。春から既に多くの経験が共有されているので、ノウハウの蓄積も順調にされつつありますね。

オンライン研修で新たに課題となっていることはありますか?

オンライン研修だけではなく、サービスのオンライン化はあらゆるところで起っています。急速に広まったオンライン化ですが、お客様の方も勉強しているので、サービスに対する要求値が高くなってきていますね。かなり具体的に実現したい研修のイメージをお持ちになっているので、私たちも「知りません」「できません」というわけにもいかず、負けじと勉強しています。

そして、自分たちも研修というものを根本から見直しています。オンライン化に関係なくこれからの研修というものが単発のイベントではなく、もっと長期的に学び手に併走するものであるという必要性も感じているので、内容にしても手法にしてもまだまだ開発の余地はあると思っています。BLF講座では内容や手法のブレンド方法を学びましたが、こちらがベストだと思って設計した学びでも、お客様にとっては分かり難いこともあります。小手先の技術を手に入れて巧みに設計したつもりになっても、お客様が望んでいた学びからずれてしまっては本末転倒なので、質の向上だけではなくお客様の気持ちや要望をきちんと考慮に入れて目的に沿った効果的な学びを提供することが課題だと思っています。

 

 オンライン研修導入事例~専門商社T社の例

 計測機器を扱う専門商社T社の営業社員向けにオンライン研修を行いました。T社はこれまで商品の営業を対面でやっていましたが、コロナ禍で完全にストップ。ショールームも使えず展示会も開催できない日々が続く中で、営業方法を変えることが急務と思い「ウェビナー」の設計を学ぼうとなったのです。

研修はブレンディッド型のオンライン研修として行われ、集中力の限界を考えて全行程を2時間、3時間、2時間で区切って行いました。知識獲得だけではなく実践的なスキルを身に付けることに重心を置いていたので、研修では一人一人が「自分のウェビナーを完成させる」ことを目的にしました。対面での営業スキルはもともと持ち合わせているので、オンライン化するにあたって応用できる部分は多々ありました。最後にはそれぞれがプレゼンし、即時フィードバックをもらいました。

このオンライン研修がユニークだったのは、ウェビナーの設計だけではなくウェビナー開催後のフォローまでが学びに入っていた点です。オンライン営業では、最初から最後まで会わずに商談が成立してしまうことも起こり得ます。ウェビナー参加者をグリップするために参加特典を設けるあるいは資料のダウンロードを促すなど、商談を進めるための仕掛けを用意することも大事になってきます。オンラインでもお客様との関係を深め、いかに情報を引き出すかが、これからの営業では必須のスキルになってくるでしょう。

 

ブレンディッドラーニング・デザイナー養成コース

日本フューチャーラーナーズ協会では、ブレンディッドラーニング・デザイナー養成コースを開設しています。ブレンディッドラーニング・デザイナー養成コースは完全オンライン対応で、今後ますます需要が伸びるオンライン研修を設計するにあたり必要な知識、実践テクニックなどを総合的に学ぶことができる講座となっております。

新しい時代に即した効果的な学びを実現するために、是非一度受講されてみてはいかがでしょうか?

 

ブレンディッドラーニング・デザイナー養成コースの詳細はこちら