「生成AIの時代に “AIリテラシー” を身につける ハンズオンセミナー」 開催報告
2025年6月4日(水)、「生成AIの時代に “AIリテラシー” を身につける-ハンズオンセミナー-」を開催いたしました。
講座では、AIツールの具体的な使い方を紹介するよりも、生成AIのポテンシャルを最大限に引き出すための考え方や進め方に焦点を当て、UMUプラットフォームを活用したハンズオン形式で進行。参加者からは「RSTCCフレームワークで『ちゃんと聞く』と、AIが『ちゃんと答えてくれる』ことがよく分かった」との声も多数届いており、AIとの効果的なコミュニケーション方法を体験を通じて学べる充実した時間となりました。
ユームテクノロジージャパン ラーニングイノベーション部 ディレクター
一般社団法人日本フューチャーラーナーズ協会 理事
新薬メーカー及び GEメーカーで MR経験、ユームテクノロジージャパン創業期メンバー。
GEメーカーで東京エリアで、主に薬局やクリニックを担当。新薬メーカーで、糖尿病スペシャリストとして、関東エリア基幹病院で新規口座開拓を経験。
2018年ユームテクノロジージャパンに社員第1号として入社し、製薬業界を含む業界最大手企業複数社へ UMU導入経験がある。
生成AI時代におけるAIリテラシーの重要性
講座の冒頭では、まず生成AI時代におけるAIリテラシーの重要性について詳しく解説されました。リテラシーという概念は、読み書きそろばんといった基本的な能力から、メディアリテラシー、ITリテラシー、デジタルリテラシーと時代とともに変化してきました。現代においては、AI関連アプリケーションがどのような動きをするかを知り、それらを使いこなせるかが非常に重要な能力となっており、これがAIリテラシーと呼ばれています。
AIの進化段階と今後の展望
AIの進化段階についても詳しく触れられ、過去の競技の人工知能(音声認識、画像認識、自動運転など特定目的のAI)から、現在の生成AI(テキスト、画像、ビデオなどを生成するAI)の時代を経て、今後は汎用人工知能(AGI)へと発展していくと考えられていることが説明されました。
生成AIをレベル別にすると、現在はレベル1と位置づけられており、この10年でレベル4(初めから終わりまでAIがやってくれるレベル)まで達成される可能性があることから、今の段階でAI活用スキルを習得することが重要であると強調されました。
生成AIは「超良質な叩き台」を提供する存在
企業にとって特に注目すべきは、ハーバードビジネススクールとBCG(ボストンコンサルティンググループ)が実施した実験結果でした。この実験では、コンサルタントをスキルの上位・下位に分け、生成AI活用によるタスク遂行の変化が調査されました。
結果として、下位スキルのコンサルタントは、生成AIを使うことで生産性が4.05から5.79へと43%向上しました。これは、生成AIを活用することで、上位スキルのコンサルタントと同等かそれ以上の生産性を発揮する可能性があることを示唆しています。
一方、上位スキルのコンサルタントも、生成AI活用により生産性が5.2から6.08へと17%向上し、さらに伸び代があることが示されました。
では、私たちはどのような活用レベルを目指すべきなのでしょうか。
講座では、AI活用のレベルが段階別に説明され、検索による情報収集や自分の回答に対するフィードバック取得の段階から始まり、最終的には生成AIにアウトプットしてもらったものを人間がブラッシュアップする段階へとレベルアップしていくことが示されました。
つまり、生成AIは「超良質な叩き台」を提供する存在であり、人がゼロからイチを作る際の時間や思考の行き詰まりを解消してくれる役割を果たすことが重要だと説明されました。
また、海外では生成AIを活用した経験やスキルが求人条件に含まれるようになっており、AIを活用できる人材が企業から求められている現状についても紹介されました。
プロンプトエンジニアリングの重要性
これらの基礎知識を踏まえ、講座では実際に手を動かしながら学ぶ実践的なさ内容へと進みました。中心となったのは、AIとのコミュニケーションを最適化するための「プロンプト」作成スキルと「プロンプトエンジニアリング」です。LLM(大規模言語モデル)の登場により自然言語でAIを動かせるようになった今、より質の高いアウトプットを得るためには適切なコミュニケーション方法が重要であることが解説されました。
AIは「超良質な叩き台」を提供する存在であり、一度で完璧な回答が得られなくても、対話を通じて指示を改善していくプロンプトエンジニアリングの考え方が重要であることを、実際の事例を交えながら学びました。
効果的なプロンプト作成のフレームワークとして、UMU独自開発の「RSTCCフレームワーク」について紹介されました。
- Role(役割): AIに与える役割設定
- Skill(スキル): 必要な専門性や能力
- Task(タスク): 具体的な作業内容
- Context(文脈/背景): 状況や背景情報
- Constraint(制約/条件): 出力の条件や制限
特に「役割」の設定がAIの出力の質に大きく影響することが事例を通じて示されました。講座では、このRSTCCフレームワークを用いたプロンプト作成演習を複数回実施し、参加者の皆様に実際に体験していただきました。
実践的な演習を通じて、参加者の皆様からは多様な気づきや具体的な活用アイデアが共有されました。
RSTCCフレームワークの体験に関しては
- 何のためにプロンプトを書くのかという目的や背景をより深く考える機会が得られた
- 制約などを具体的に記述することの重要性を体感できた
- 役割を設定することによってAIの出力に違いが出る点が面白い
といった声が寄せられました。
また、別の参加者からは「『何のために何を実現したいのか』という目的を自分で深く考えることの重要性に気づかされた」というお話もいただきました。
講座の最後には、今後のAIに任せられる分野が広がる前提で、人間の役割についても参加者の皆様と対話を深めることができ、技術の進歩とともに変化する働き方についても考える貴重な機会となりました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
今後も皆さんと一緒に学び考えながら、役立つ学びの機会を提供してまいります。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
ご案内:「生成系AIを学びに活用する講師・コンサルタントの会」
2024年より「生成系AIを学びに活用する講師・コンサルタントの会」を立ち上げ、進化を続ける生成系AIの最新の動向をキャッチアップしながら、私たちがどのようにこれらの技術を学びの提供や日々の業務に活かしていけるかを一緒に考え、実践していいます。
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