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コラム

反転学習の進化系、“e反転学習”を新人研修に取り入れてみよう!

新たな学びを構築する日本フューチャーラーナーズ協会です。

コロナ禍により今春の新人研修は大きく混乱をきたしたという企業は多いかと思います。オンラインへの移行に伴いコンテンツの見直しやデバイスの確保など、新人研修を取り巻く環境がこれまでとは大きく変わったことで発生した作業もたくさんありました。何とか乗り切った!と思っていたのもつかの間、企業はそろそろ来年度の研修準備にとりかかっているのではないでしょうか。

そこで今回は、オンラインやリモートが常態化された新時代に対応した新人研修として“e反転学習”という新たな研修の形をご紹介したいと思います。

 

反転学習とは?

ここでおさらいしましょう。反転学習の歴史は意外と長く、古くは1990年頃からアメリカで実践されていました。それからじわじわと広がり、2000年頃からは世界中で試みられるようになった学習形態が反転学習です。定義としては知識獲得のための教室で受ける学び(講義)を事前に各自が行い、教室では集合することによって意味合いを深めることができる種類の学び(ロールプレイや対話、ハンズオンなど)を行うというものです。そしてその先には教室で学んだことを現場で実践して定着化させるというステップがあります。

学校教育や新人研修などでも導入され一定の効果を上げていますが、この学習形態が持つ特有の課題も多く、反転学習はまだまだ進化の過程にあると言っても良いでしょう。

 

従来の反転学習の課題

反転学習は集合時に「集合でしかできないこと」「集合だからこそ効果を発揮するもの」が正しく機能してはじめて成立するものです。そのためには自己学習の習得度が重要になってきますが、そこにバラつきがあるとせっかくの反転学習が台無しになってしまいます。従来の反転学習が抱えている課題には以下のようなものがあります。

 

自己学習の環境が整っていない

コロナ禍ですっかり定着したリモートワークですが、移行時には自宅でのデジタル環境に差があることが問題になりました。これは反転学習でも長いこと抱えていた問題で、自己学習をする際にデジタル環境が十分に整っていないので、学習に取り組むことすらできないという人も一定数いました。この問題はコロナ禍で大幅に解消されたましたが、高度な操作性などが必要とされる学びではデバイスの問題だけではなくITスキルの問題も出てくるので、そちらにも対策が必要になってきます。

 

自己学習が定着しない

 反転学習では知識の習得を自己学習として各自に委ねます。想像できるかと思いますが「これを読んでおいてね」「これをやっておいてね」と言われても、中にはまったくやってこないような人もいるものです。そうなると、講師によっては集合時にわざわざ親切に事前学習の復習から始めるようなことも出てくるので、そうなるともはや反転学習の意味は半減してしまいますよね。習得度のバラつきは反転学習にとって致命的なのです。

自己学習の取り組み度を上げるにはどうすれば良いのか。どのような誘導や仕掛けが必要なのか。まだまだ考える余地はありそうです。

 

学習設計の稚拙さ

反転学習に限らず良質な学びを実現したいのであれば学習設計をしっかり組み立てることです。例えば1時間にも及ぶ一方向的な動画コンテンツを自己学習として提供したり、集合しているにも関わらず双方向性に乏しい学習内容だったりと、明らかに反転学習の特性を理解していないような設計になっていることもあります。

学び手の集中力を考え、感情をコントロールし、終始ワクワクした気持ちで学習に取り組むように設計することは容易なことではありません。しかし学習の提供側としては時間をかけてでも緻密に行ってほしいところでもあります。

 

 

新時代の反転学習として提案したい“e反転学習”を新人研修にも取り入れよう

事前(予習)、当日(研修)、事後という構図から脱却せよ!反転ではなくブレンドという発想に切り替えよう

私たちが考えるe反転学習とは単に事前学習と集合学習の反転ではなく、多くの学習アクティビティをブレンドすることによってほぼ無限のパターンを生み出すことができる可能性を秘めたブレンド型の学習形態です。例えば最新のブレンド型e反転学習の概念では、以下のように様々なバリエーションを持たせることができます。

事前(予習)…ビデオ、アセスメント、読み物、事前対話、課題提示

当日(研修)…ロールプレイ、ハンズオン(機器操作)、対話、議論、体を使った体験学習

事後(研修後)…現場における復習、現場実践の共有、振り返り支援、コーチング(AI含む)、定期的なラウンドテーブルでの対話、成果発表会

新人研修を提供する側にとって重要なのは、どの学習アクティビティをどのように組み合わせ、どんなタイミングでどのように提供すれば効果を最大化できるのか忠実に考えることです。ブレンド型の学習の設計セオリーは全く新しい領域なので、従来教育設計の専門家と言えども学び直しが必要になってくるでしょう。

 

フルオンラインでも効果的な学びを。デジタルの特性を生かし、学びを再構築しよう

従来の反転学習では、個別に行うeラーニングと集合によるリアルな研修の両方の要素がありました。しかしコロナ禍においては全ての学習がオンラインで行われるということも珍しくありません。そこで、フルオンラインになった時にも効果的な学びを実現するためには、デジタルの特性を熟知したうえで学びを再構築していく必要が出てきます。

ここで企業は柔軟になり、新入社員の知恵を拝借することも考えなくてはなりません。新入社員はもともと持っているITスキル、リテラシー、フルーエンシーが高く、学びをフルオンラインにする際のアイディアを豊富に持っている可能性があります。学びの中に双方向性を取り入れるだけではなく、学びの設計段階から双方向性を取り入れるというのは革新的ではないでしょうか。

 

あらゆる場所が学びのシーンになり得る。学びのシーンを細分化し、反転させていこう

一昔前の新人研修はある種のイベントで、年に数日の研修を行えばそれでOKとされていました。しかしこのように変化の激しい時代においては、年間を通して毎日のように新し知識やスキルを身に付けていくことが要求されるので、イベント的な研修では対応できないという現実に直面しています。

この問題は新人研修を反転学習に変えたところで解決する話ではありません。これからは業務の中に散りばめられた日々の学びに併走し、研修期間が終わっても継続的に新人をフォローすることが必要になってきます。つまり、実践の現場である職場が学びの現場になるという反転が、新しい反転のあり方=e反転学習になるのではないでしょうか。

 

現場のリーダーは、学びのリーダーでもある

e反転学習の効果は現場のリーダー次第でもあります。優れた学びのコンテンツがそこにあったとしても、私たちは何かの“きっかけ”がないと当事者意識をもって主体的に取り組まないものです。見てほしい動画があった場合には、その導入になるようなレビューやダイジェストを見せる、読んでほしい資料があったら、それを読んだ先輩の感想を聞かせるなど、新しい学びの体験に誘うには、これらのトリガーが必要なのです。映画の予告編と違いテレビをつけたらやっているというものでもないので、トリガーは誰かが意図的に用意しなければなりません。そしてその役割を担うのが現場のリーダーになります。リーダーは後輩や新入社員に対して最も身近な先輩でもあり、尊敬できる学びの先駆者でなくてはなりません。

学びを引っ張るためには、リーダーも精進し続けなくてはならないということですね。

 

ますます必要になってくるファシリテーションスキル

e反転学習のようなオンラインによる学びでは、取り入れることができる要素が多すぎるので、それらをいかに効果的に組み合わせ、それぞれの個性を生かし、場を活性化してくかが重要になってきます。そしてそこを担うのがファシリテーターです。ファシリテーターは講師と同じように学びの現場に入り、共に学びをサポートします。研修後も学びは続くので、もしかしたら講師よりも関わりが深くなるかもしれません。

そして、このファシリテーターとしての役割を担うのはチームリーダーです。継続的な学びの舞台となるのは職場なので、チームとして学びの文化を醸成していくことが理想とされ、チームリーダーはまさにその立役者にならなくてはなりません。リーダーがファシリテーターとしてのスキルを身につけることは、これからの時代には必須になるかもしれません。

 

e反転学習にも対応。ブレンディッドラーニング・デザイナー養成コース

日本フューチャーラーナーズ協会では、ブレンディッドラーニング・デザイナー養成コースを開設しています。ブレンディッドラーニング・デザイナー養成コースは完全オンライン対応で、今後ますます需要が伸びるオンライン研修を設計するにあたり必要な知識、実践テクニックなどを総合的に学ぶことができる講座となっており、その中にはe反転学習に必要なスキルも網羅されています。

新しい時代に即した効果的な学びを実現するために、是非一度受講されてみてはいかがでしょうか?

 

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