about blended learning

ブレンディッドラーニング(ブレンド型学習)とは?

私たちが提唱する学びの手法の一つとして
「ブレンディッドラーニング(ブレンド型学習)」というものがあります。

ブレンディッドラーニングとは、複数の学びを“ブレンド”して新しい学びを構築するもので、集合と個別、オンラインとオフライン、インプットとアウトプットなどの形式の組み合わせから、テキストや動画などのコンテンツの組み合わせまで、ブレンドされる要素は無数にあります。学びのテーマに合わせて適切なブレンドをすることによって学びの効果を最大化し、その後の定着率を高くするのがブレンディッドラーニングの目的でもあります。

       

ブレンディッドラーニング(ブレンド型学習)が生まれた背景

ブレンディッドラーニングを始め数々の新しい学びが生まれた背景としては、第一にテクノロジーの発達があるかと思います。ネットワークが高速化し移動中でもデジタルデバイスがストレスなく使えるようになり、インターフェイスも改善され使い勝手が断然良くなりました。さらに価格も手の届くものになり一家に一台ではなく一人で一台のデバイスを所有するというスタイルも一般的になっています。

場所や時間を選ばずに個々が良質なコンテンツにアクセスできる環境が整い、学びも集合という縛りから解放されていったわけです。

そして、次に学びに費やせる時間と学びの総量の関係が変化したことがあるかと思います。従来の集合研修では業務休んで一定期間学びに集中するのが一般的でしたが、今は社員の教育のために時間や労力を割く余裕が企業側に十分にないので、社員は働きながら学ばなければならなくなってきました。そして現代のような情報化社会では学びの総量も以前とは比べ物にならないほど多くなってきていて、学びの内容も随時更新されています。幸か不幸か、学び手は常に学んでいないと時代に取り残されてしまうのです。このように一旦社会に出てしまったら、学生時代のように悠長に学びに徹する時間を確保できないということも、集合研修の意味が厳しく問われる理由の一つではないでしょうか。

       

私たちが提唱するブレンディッドラーニング(ブレンド型学習)とは?

一般的にブレンディッドラーニングは集合研修とオンライン研修の組み合わせという理解でした。そしてオンライン研修=eラーニングということでイメージは固定されていました。しかし実際はもっと複雑で、多様で、そして豊かな学びの手法なのです。私たちはブレンディッドラーニングの一歩踏み込んだ理解のために、ブレンドされる要素として以下のようなものもあることをご紹介したいと思います。

メディアミックス(学びの素材をブレンド)

動画、スライド、音声付きスライド、音声、写真、イラスト、資料、本、ブログ 、SNS

アクティビティミックス(学習活動をブレンド)

講義、対話、チャット、投票、擬似体験(VR)、シミュレーション 、アンケート、テスト

ラーナーミックス(学び手をブレンド)

グループワークやブレイクアウトの時のコミュニティ形成における学び手の組み合わせ。
それぞれのバックグラウンド、傾向、性格、能力などを考慮してブレンドする。

セオリーミックス(学びの理論をブレンド)

認知科学、行動科学、脳神経科学、心理学、マーケティング論などをブレンドする。これにプラスアルファして文学や芸術学などもブレンドし、情操面からのアプローチとして感覚や感情に訴える。

このように見てみると、ブレンドされる要素は実にたくさんあることがわかりますね。学び手を惹きつけ飽きさせないためにも、学びの中身をデザインすることはとても重要なのです。

ブレンディッドラーニング(ブレンド型学習)の効果

ブレンディッドラーニングではフィードバックを重視しています。コンテンツを与え続けるだけではなく、随所に双方向性を取り入れ、個々が発信した意見や見解に対して他者の介入も歓迎することで学びの精度を上げています。

コルブの経験学習モデルという知られた理論がありますが、これはまさに「具体的経験→省察的観察(内省/振り返り)→抽象的概念化(理論化)→能動的実験(試行)」を1サイクルとしたもので、ブレンディッドラーニングではこの“省察的観察”の部分をオープンにし、多声的に内省/振り返りをするということも可能にしています。

内省や振り返りは自分だけで行うとレベルの低いものになってしまいがちです。そこに新たな視点や気づきを与えてくれるのは上司や同僚あるいは専門家のような人たちであり、時には学びを共有していない全くの外部の人ですらあるかもしれません。客観的な視点を歓迎し、それらを内省や振り返りのプロセスに組み込むことで、その後に続く概念化や実験(試行)のレベルも上がってくるのです。

また、人の成長を要素で考えたときに「70:20:10の法則」というものがあります。要素の内訳としては「70%が経験、20%が薫陶、10%が研修」であるというのがこの法則の言っているところで、この中で学びにあたるのは20%の薫陶と10%の研修部分ということになります。しかし、ブレンディッドラーニングの手法を適用させると70%の経験の部分にも学びを浸透させることができるのです。

70%の経験部分では、例えば実務における自分のパフォーマンスなどを動画などにあげ、適切な指摘やフィードバックをもらうことができます。実務経験に上司や同僚を巻き込むことによって、経験と学びがセットになり実務の中で多声的な成長ができるというわけです。学びをブレンドするということは、学びの適用先までも含めたブレンドになるのです。

このように個人の学びに他者を巻き込むことで、組織全体に学びの文化が浸透していくということも注目すべき点です。今起こっている学びというものを特定の人たちだけのものにしないで、社内全体で共有していくことで組織は強化されていきます。実際に学ぶ文化が根付いている組織の方が、成長速度が速いというデータもあります。ブレンディッドラーニングによって個々の学びが有機的に繋がっていくことは組織の成長に大きく貢献するのではないでしょうか。

ブレンディッドラーニング(ブレンド型学習)を学ぶべき人/組織

フューチャーラーナーズ協会が提供している「ブレンディッドラーニングファシリテーター養成講座」は、受講の対象を企業で人材開発に従事する方や学術機関の教職員だけではなく、企業における現場レベルのリーダーの方にも広げています。

当たり前の話ですが研修の現場では講師が学びを指導します。しかしこれでは学びの中に想定外の出来事が挿入されにくく、学びの一部始終が予定調和に終わってしまうこともあり得ます。しかし学びというものは教育的立場に立つ人が時には指導から離れて、学び手同士が教え合うようなこともあってはいいのではないでしょうか。そしてさらに研修の現場からも離れて、日常業務の中でチームやグループ内での学び合いが自然に発生することが理想なのです。そうなると学びを牽引するのは研修講師だけではなく、現場のリーダーやチームの責任者なども考えられます。彼らがチーム内で学び合いを誘発させることで、組織としても学びの文化が醸成されていくのです。現場のリーダーこそが、ブレンディッドラーニングを学ぶべき対象なのかもしれません。

組織の健全な成長のために

ブレンディッドラーニングでは個々が学びで得た知識や見解、習得したノウハウなどを共有していくという手法も含まれています。学び手同士の繋がりを活性化することで、学びの質をさらに上げていくという期待があるからです。

そして個々の学びを共有することは、企業の健全な成長にも直結しているのです。例えば、1人で年間20億を売り上げるようなハイパフォーマーが企業にいたとします。その人のノウハウが共有されないうちにその人が退職してしまうと、会社としての損失は大きいですが、逆に1億売り上げるパフォーマーが20人いたとすると、一人の人間が抜けたところで被る損失が軽減されるというわけです。ノウハウが独り占めされている状況はとても危険なのです。

ハイパフォーマーからするとノウハウを独占したい気持ちがあるかと思いますが、企業の成長という意味では、学びやノウハウが独占されないような環境を用意しておくことも大事かと思います。ハイパフォーマーが抜けてもハイパフォーマンスは残る。そんな状況が理想ですね。

真の学びを実践する人=フューチャーラーナー

今は学びの変革期です。ブレンディッドラーニングを始め、世界では新しい学びがどんどん生まれています。学びは常に更新され、私たちの学びは一生終わることがありません。

しかし、私たちは学ぶことこそが人として生きることの本質だと考えています。どうせ学ぶなら楽しい方がいい。学ぶことが幸せと思えるような学びを提供したい。“ハッピーラーナー”つまり幸せな学び手を育てることがフューチャーラーナーズ協会の目指しているところなのです。学びの先に創造される幸せな世界があることを信じて、協会としての挑戦はまだまだ続いていきます。

ブレンディッドラーニングを生かしたセミナー例

マイクロラーニングを中心とした「ブレンドラーニング」  テクノロジーが効果的な反転学習を可能にします 1.事前「基礎知識」動機付け、興味や事前知識を高める 2.集合研修「発展応用」関与意識、参加意識を高める双方向トレーニング 3.事後「定着」記憶忘却曲線にアプローチ

POINT
  1. 事前知識はオンラインで個別に学習
  2. 集合研修は座学ではなく参加者同士のコミュニケーションを基にして事前知識を定着、発展応用させる
  3. 集合研修後に、オンライン学習で業務での定着を目指す

ブレンディッドラーニングファシリテーター養成コースで
得られること

  • ブレンディッドラーニングファシリテーター養成コースを受講することで学習が定着するまでの流れを設計できるようになります。従来の集合研修だけでは得られなかった効果を発揮することで、研修・セミナーの価値が大きく向上します。

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