アフターコロナ・ウィズコロナにおけるオンライン研修。企業はどのように研修を変化させていくべきか。
※2021年5月更新
2020年に世界中を震撼させた新型コロナウィルスは、2021年5月現在になっても明確な収束の目処が立っていません。
先年度に引き続き、多くの企業がリモートワーク、オンライン研修を導入しており、従来からの研修方法から脱却する動きは加速の一途を辿っているものの、「通常の集合研修も見送るが、オンライン研修も効果に期待がもてない」企業、対応が追いついていない悩みも依然として少なくなくありません。
こうした背景から本日は、コロナパンデミック時の学習について、学習傾向と変化、そして新しい学習モデルという観点からお話したいと思います。
■ アフターコロナ・ウィズコロナにおけるオンライン研修。
企業はどのように研修を変化させていくべきか【1】
コロナによって学習のあり方が大きく変わった
コロナにより世界中で学習のあり方が変わったことは言うまでもありません。実際に世界中の指導者とのセッションで、団体の研修が従来の方法から変化し、バーチャル化されたり、様々な方法とのブレンディングが試されたり、他団体とパートナーとして行うなどの変化が起きていると報告されています。
そうした新たな研修において鍵となるのは、共感と双方向の参加です。そして新たな研修を実現するために経営陣や管理職の役割も急速に変化しています。
しかし急速に広がったパンデミックの中では、大幅に研修プログラムを変更する余裕はありませんでした。そうした中でも存在する研修への需要に応えたのはビデオを通じたオンライン研修でした。
オンライン研修は有効に活用することで従来の集合研修のみを利用した場合よりも高い研修効果を上げることができます。私たちはそうした観点からこれまでもオンライン研修の活用を推進してきました。
■ アフターコロナ・ウィズコロナにおけるオンライン研修。
企業はどのように研修を変化させていくべきか【2】
企業も集合型研修からオンライン研修に変化を求められる
コロナパンデミックが集合研修をオンライン研修へと変革していくことは間違いありませんが、そもそも様々な変化に直面するこれからの時代には、集合型研修のみでは対応できないことが明らかになりつつあります。
例えばパワーハラスメントや長時間労働が問題視されるようになったのはつい最近です。
こうした新たに研修するべき事態が発生するたびに全社員を集合させて研修を行うのはあまりにも非効率です。研修の度に現場のスタッフに穴が開いてしまいます。
オンライン研修を効率的に活用できれば、新たな研修内容が発生するたびにビデオで研修を行うことができ、また本人の都合に合わせたタイミングでの研修により高い学習効果を期待することができます。
矢継ぎ早にシーンが変わる現代社会においては新たな研修方法が必要なのです。
■ アフターコロナ・ウィズコロナにおけるオンライン研修。
企業はどのように研修を変化させていくべきか【3】
ただ動画を見せるだけのeラーニングでは、学習は定着しない
もっとも、ただ動画をみせるだけの研修では高い効果は望めません。つまらない動画を長々と見せられても学習者は途中で見ることを辞めてしまうだけです。オンライン研修においては動画学習の効率を最大限に高める映像制作が求められます。
そのために私たちが重視する要素の一つが、人の感性です。
研修用のビデオでも人の感情に訴えかけましょう。小説や映画に私たちが熱中するのは、起承転結のような展開とメリハリがあり、それが感性に訴えかけるからです。
学びの中にもストーリーを持たせることで、「次は何が出てくるんだろう」と学習者の興味を惹き続けることができます。
■ アフターコロナ・ウィズコロナにおけるオンライン研修。
企業はどのように研修を変化させていくべきか【4】
オンライン研修を上手く取り入れる方法
ここまでオンライン研修をコアとした新たな研修の形を提示してきましたが、集合型研修の価値を否定しているわけではありません。
集合型研修では双方向なコミュニケーションを通じて、より密度の高い研修を行うことが可能です。
また自己学習も大切です。人は一度研修しただけの内容はすぐに忘れてしまうためです。
このように、複数の学習シーン、コンテンツを組み合わせて、成果につながる学習コースを設計することが最も効果的な研修を実現するための方法です。
私たちのマイクロラーニングでは、研修の内容に合わせて最も効果的な方法を組み合わせによる学習コースを設計することができます。
■ アフターコロナ・ウィズコロナにおけるオンライン研修。
企業はどのように研修を変化させていくべきか【5】
アフターコロナにはオンライン研修とリアル研修のハイブリッドが当たり前に
緊急対処的にオンライン研修を始めた企業も多かったコロナパンデミック、本記事でアフターコロナの「学び」も見据えていきましょう。
結論から言ってしまえば、アフターコロナにおいては、コロナ渦にあるオンライン研修とコロナ以前オフライン研修の複合化が促進される見通しが立てられています。
内容でいえば、研修により高い学習効果が期待され授業内容の構造化が進むほか、学習者はより「自主性」が求められ、自らが能動的になる「対話」が重要視される予測が立てられております。
伴って、今後企業の研修講師にはオンライン・オフライン両方に対応ができる能力を持つ人材、マニュアルのみならずバーチャルでも営業やリーダーなどの経験を有した人材が重宝されることも想像に難くありません。
アフターコロナの研修に備えるためには、オンラインとリアルの両方の学習の設計技術やデリバリー技術を押さえ、新しいテクノロジーを積極的に試行する、学習の個別化に備え学習者個別のデータを収集・分析する準備が不可欠となります。
■ アフターコロナ・ウィズコロナにおけるオンライン研修。
企業はどのように研修を変化させていくべきか【6】
アフターコロナでは企業全体で学習設計を行う時代
また企業の教育や学習は、企業全体で設計していく方向性に進んでいく動きも確認することができます。
簡単には、「企業で計画する学習機会はこれまで以上に大きな役割を担うようになる」と言い換えることもできるかもしれません。
これまで、企業で設ける学習機会は、年に数度の研修やe-learningシステムなど、わずかな時間しか用意されないことが一般的でした。
このシステム下においても、取り立てて問題が感じられなかったのは、対面が可能な状況下において、学習機会の場以外であっても情報やノウハウを社員同士共有できるチャンスが多く存在していたためです。
コロナ以降、対面での交流が激減したことは言うまでもありません。
企業の目標に合わせ、学習内容を絞り、真に効果の望める学習計画を立てることは今後の企業の課題でもあります。
また、企業単位で学習計画を立て体系化を進めることは、すなわち企業の人物が新しく「指導する」スキルを学ぶ、自主的に情報を共有していく必要があることも意味しています。
たとえばノウハウを知る人材が動画を作りメンバーにシェアをする。など、これまでオフラインで恒常的に行っていた指導を、意識して輪郭化させ、学習プログラムへと昇華させる必要があります。
ウィズコロナ、そしてアフターコロナの人材の学習を支えるためにも、研修講師だけでなく現場のリーダーにとってもブレンデットラーニングコースは非常に役に立つ講座となります。
見方を変えれば、コロナの影響により働き方そのものが変容している今こそ、慣習的に行われていた研修を見直す機会ととらえることもできるのではないでしょうか。
オンラインでの慣れない研修、不安を感じる方はぜひ1度、お悩みをお聞かせください。